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カール・ヤスパースの人物情報・基本知識・名言

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人物情報

1883年~1969年

ドイツに生まれる。第二次世界大戦とナチスドイツを経験した。

ヤスパースは精神科医であった。

ナチス政権がドイツを統治した時期に、ユダヤ人であった妻と離婚するか大学を去るかの二者択一を迫られ、ヤスパースは妻を選び大学を去った。

西洋のもの以外は哲学とは認めないという風潮が強かった時代に、世界的に哲学を捉えた。

実存主義:現代社会における人間性喪失という問題をテーマにしている。内面的な変革によって人間が本来的自己に立ち返るべきであると唱えた。

実存(existence):「現実存在」のこと。かけがえのない自分が現実に存在するということである。「人間一般」ではなく、取り換え不可能な個人というものを重視し、人間の主体性回復を目指す。

基本知識

分裂症の時代

現代人の主体性喪失を「分裂症の時代」つまり、みんなが精神疾患にかかっているようだと例えた。

限界状況と包括者

人生において人間の力では乗り越えることができない挫折(死や争いなど)を限界状況という。

人は限界状況に直面すると、自らの有限性に気が付く。

すると、その有限性を超越した包括者(超越者)の存在にも気がつくことができ、永遠の存在に根ざしながらも限界を持った自己本来のあり方に目覚める。

この自己本来のあり方に目覚めることを「実存に目覚める(実存開明)」といい、実存を照らしているものは理性であるとした。

実存的交わり

実存に目覚めた存在(実存者)は、没個性化した大衆ではなくなるので、孤独になる。

そこで、実存者相互の連帯を重視し、実存者相互の対話(実存的交わり)の必要性を唱えた。他者との関係の中で自分を見つめることができる。

ただし、実存的交わりは、本来的自己を確立するための真剣な人間関係なので、ぶつかり合うこともある。その緊張関係の中で、他者と愛し合いながら交流を深める(愛しながらの戦い)ことを繰り返すことで、人は本来の自己を獲得する。

名言

「科学は哲学を役に立たない学問だと批判する。しかし、私に言わせれば、その指摘は的を外している。哲学はそもそも真理を追究する学問なのであって、言い換えると、常に『その途中』の状態が続いていく。したがって、哲学は最初からなんの役にも立たない学問である。ただ、その過程には大きな価値がある」


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