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人物情報
紀元前427年~紀元前347年
アテネに生まれる。
ソクラテスの弟子であり、ソクラテスの言動の多くを著作に残した。
アテネにアカデメイアという学園を建て、弟子の教育にあたった。弟子の中でも有名なのが、アリストテレスである。
プラトンの主な著作
- 『ソクラテスの弁明』:ソクラテスの裁判を描いた。
- 『国家』:理想の国家について述べた。
- 『饗宴』:愛について語った。
- 『パイドン』:魂の不滅を説いた。
など。すべて対話篇となっており、主人公はソクラテスである。
基本知識
イデア論
世界にあるあらゆる物事の原型(完璧なもの、真の実在)のことを「イデア」という。人間は「イデア」を参照して世界(コピー)を見ている。
もともと魂はイデア界にあったため、魂が知っているイデアを思い出して(アネムネーシス)、世界を認識している(想起説)。魂が本当の善を知っているから、「本当の善なんてない」と言える。
魂がイデアにあこがれるあり方をエロースという。愛とは、イデアへ思慕であり、価値を求める向上的愛のことである。
美のイデア
イデアの中でも特に強烈な印象が魂に残る。
あらゆる概念(正義や節制など)は直視することはできないが、美だけは視覚で捉えることができる。
善のイデア(イデアのイデア)
善のイデアがイデア界を秩序付けている。そのため、善のイデアはイデアのイデアと呼ばれる。
真理の到達(善のイデアの追求)には、対話を通じて、過去に魂が知っていたイデアを想起(アネムネーシス)する必要がある。
洞窟の比喩
人間は、洞窟の中で入り口に背を向けて座っているようなものである。背後にある太陽の光(イデア)はまぶしくて、直視することができない。
人間は洞窟の壁に映るイデアの影を実在だと思いこんでいる。しかし、真の実在は、感性で捉えることができないイデアである。
つまり、イデアは感性ではなく、理性によってのみ認識することが可能なのである。
魂の三分説
魂は以下の3つに分けられる。
- 理性
- 気概(意志)
- 欲望
そして、それぞれが3つの徳のもととなる。
- 理性→知恵
- 気概→勇気
- 欲望→節制
これらが調和したとき、正義が実現する。知恵、勇気、節制、正義の4つを四元徳と呼び、ギリシア人にとっての最も基本的な徳であった。
悪とは、この3つが不足した状態、つまり
- 無知(知恵の不足)
- 臆病(勇気の不足)
- 放縦(節制の不足)
を言う。
国家の三分説
魂の三分に対応して、国家も3つの要素に分けられる。
- 守護者(知恵)
- 軍人(勇気)
- 生産者(節制)
これらが調和している状態が正義(正しい国家、優秀支配制)である。
哲人政治
優秀支配制(理想の国家体制)>名誉支配制(理知の欠如)>寡頭制(気概の欠如)>民主制(欲望の欠如)>僭主制(衆愚政治)
優秀支配制(理想の国家体制)を実現するには、哲人政治(哲学者が王となるか、王が哲学をやるか)が必要である。哲人とは知恵の徳を発揮することによって、善のイデアを認識できる者を指す。
名言
「哲学は死の訓練」(死=魂だけの状態になれば、理性が働きやすくなる)
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