人物情報
1788年~1860年
ドイツのダンツィヒに生まれる。
ニーチェに影響を与えた。
生の哲学:人間の不合理な生を追求する哲学。
主著
『意志と表象としての世界』:「世界は意志と表象である」と主張した。
表象:外界にある対象を知覚することによって得る内的な対象(イメージ)のこと。人間は人間特有の時間的・空間的な認識方法で対象を認識しているので、もの自体を認識することができない。(「対象は認識に従う」、カントを参照)
基本知識
生への盲目的な意志
世界のあらゆる表象は絶え間ない努力を続けており、その努力の目的は生きることに終始している。
つまり、表象の奥にあるものは生への盲目的な意志である。
生への盲目的な意志が、あらゆる生命現象と物理現象の背後で働いて、物質においてはそれが客体化されている。
人生の一切は苦痛
意志の性質は、なんの根拠も目的もなく、無際限なものである。人間は、その意志が複雑に絡み合って客体化されている。つまり、人間は生への盲目的な意志に満たされている。
そして、努力によって意志を達成しようとするが、満たされなければ苦痛となる。
また、意欲を満たしたとしても、それ以上に意欲することが見つからなくなり退屈となる。それは意志を持つ人間には苦痛となる。
よって、人生の一切は苦痛なのである。
ペシミズム(厭世主義)
禁欲によって生への盲目的な意志による欲求を捨て去ることで、苦痛から逃れることができるだろう。
「意志が欲望として盲目的に自分に作用している」と哲学的に理解することによって、意志と表象も消え去り、世界への執着もなくなり、苦痛から完全に脱却できる。
名言
「世界は意志と表象である」
「人生の一切は苦痛なのである」
「読書とは他人にものを考えてもらうことである」
「自分の考えを持たずに本を読む人は、旅行のパンフレットを多読してその土地について詳しいと豪語する人と同じである」
「良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである。時間と力には限りがあるからである」
「本を買うという行為は素晴らしいが、同時に本を読む時間も買わないといけない」
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