☆ルネ・デカルトと対話しよう→ルネ・デカルトが質問・疑問に答えます!
人物情報
1596年~1650年
フランス生まれ
合理論の祖と呼ばれる。また、近代哲学の父とも言われる(デカルト以降の哲学を「近代哲学」と言うようになる)。
合理論:真理を生得観念と理性に求める立場。
演繹法:一般法則、つまり公理や公式から個別の心理を得る方法。
デカルトの物心二元論は批判が集中しているが、「人間は機械的運動をしている」と考えたことは重要である。
主著
『方法序説』:正式名称は『理性を正しく導き、学問において真理を探究するための方法の話』。学問の進め方自体をもう一度検証し、哲学をもう一度一から積み上げていくためのルールを定めた。真理獲得への方法の序論とされる。
基本知識
真理の探究における4つの規則
- 私が明証的に真であると認めるものでなければ、いかなる事柄でもこれを真なりとして認めないこと(明晰の規則)
- 検討しようとする難問をよりよく理解するために、多数の小部分に分割すること(分析の規則)
- もっとも単純なものからもっとも複雑なものの認識へと至り、先後のない事物の間に秩序を仮定すること(総合の規則)
- 最後に完全な列挙と、広範な再検討をすること(枚挙の規則)
演繹法による真理の探究
すべての人間に理性が備わっているから、順序よく考えれば真理に到達できる。
感覚的知覚をもととする経験は信用できず、演繹法が最も確実に真理を得られる方法である。
ただし、演繹法は公理自体が間違っていた場合、間違いを増やすだけになる。
方法的懐疑
公理は万人が真理と認める絶対的なものでないといけない。
誰も疑えないものを探すために、あらゆることを疑ってみた結果、疑っている自分(思考している主体)だけは確かなものであると気がつく。
「我思う、故に我あり(コギト・エルゴ・スム)」を哲学の第一原理として設定して、ここからすべてを積み上げていこうとした。
物心二元論
精神を実体(そのものの存在のために、いかなるものの存在も必要としないもの)と考えた。
精神は思考を属性(本質的性質)とする実体である。
物質も実体である。物質は、延長(空間的な広がりを持つこと)を属性とする実体である。
神の存在証明
- 我々は様々な観念を持っているが、その中に神という観念がある。
- 神は「無限な存在」だが、有限から無限は生じないのだから、有限な存在である人間から「無限な存在」という観念は生まれない。
- であるならば、神という観念は人間以外のところから生じたというしかない。
- 神が存在していたからこそ、「無限な存在」という観念が生じているのだ。
デカルトの道徳論
道徳は最高位の学問であり、諸学完成後確立される。ただ、それまでの間に不道徳があっては許されないので、仮の道徳(自国の法律など最も穏健な掟)に従うべきである。
また、情念を理性的な自由意志で統御した気高い精神(高邁の精神)を持つべきである。
名言
「良識(ボン・サンス)はこの世で最も公平に分配されている」
「我思う、故に我あり(コギト・エルゴ・スム)」
「絶対的に疑えない私が明晰に判断できるものはすべて正しい」
「私が自分よりも完全なものについて思考できるということは、自分よりも完全なものが存在して、私を成り立たせている必要がある」
「神が私を作ったのだから、私の認識はすべて正しいに決まっている」
「家を建て替えるときには、その最中に住む快適な家が必要である」
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