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エーリッヒ・フロムの人物情報・基本知識・名言

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人物情報

1900年~1980年

ドイツのフランクフルトに生まれる。

フランクフルト学派のメンバー(アドルノなど)と共同研究を行った。

  • フランクフルト学派:ドイツのフランクフルトにあった「社会研究所」の学者たちを指す。社会研究所は、初めはマルクス主義を研究していたが、ナチスが台頭するとファシズムの原因を分析するようになった。

新フロイト派(フロイト左派)と呼ばれる。精神分析の知見を社会情勢に適用した。社会心理学の立場から、フロイトとマルクスを結びつけたと言われる。

  • 新フロイト派(フロイト左派):フロイトを批判的に継承した立場。フロイトは個人の心理を静的に捉え、人間の本質的な感情や衝動は時代を超える普遍的なものだと考えたが、フロムは個人の心理を動的に捉え、人間の心理と時代ごとの社会は互いに影響し合って、ときにはその時代固有の精神性を発揮すると考えた。

主著

自由からの逃走』:ファシズムを支えた心理的起源を明らかにしている。

基本知識

自由からの逃走

  1. 自己保存の欲求(食べたい、寝たい、生きたい)の実現は、自由の実現である。
  2. 自由が増大すると孤独も増大する。
  3. 孤独が増大すると帰属欲求によって内的な自由を制限しようとする。

この流れが「自由からの逃走」となる。そして、これを繰り返してきたのが人間の歴史である。

逃走の2つのパターン

人は自由による孤独に耐えられなくなったとき、権威主義と機械的画一性の2つのパターンで逃走しようとする。

  • 権威主義:失われた第一次的な絆のかわりに、新たな第二次的な絆を求めること。大きな力に服従することで、孤独感をなくし安心感を得る。
  • 機械的画一性:不安や無力感から逃れるために、個人が個人であることをやめる傾向。自己の統一性を放棄して、自分を無力なものとし、あたかも機械人形のように生きる。自己を消し去り社会にまみれることで、孤独感を解消する。

権威主義的な性格を「権威主義的パーソナリティ」といい、強いものに服従し、弱いものに強圧的にあたる特徴を持つ。これがナチス(ファシズム)に熱狂した人々である。

機械的画一性を持った人々は、ナチスに消極的に加担した人々と言える。

全統一的なパーソナリティの自発的な行為

自由による孤独感の解決策は、全統一的なパーソナリティの自発的な行為である。

全統一的なパーソナリティの自発的な行為とは、自分の本当の思想と欲求(真の自我)を認識し、自由に付随する孤独を受け入れ、自発的な行動をすることである。

こうすることで、真の自我と社会が求める自我との軋轢はなくなり、外界と自分は構成された全体の一部となる。これが生きる行為そのものである。

何かから自由になるのではなく、新しい自由へと一歩踏み出す。これが真の自由における勝利であり、真の個人主義の達成である。

名言

「自由の名の下に生活はあらゆる構成を失った。個人はちょうど積み木を持ったこどものように、これらの断片を持って一人ぼっちにされている。大人はその断片を手にしながら、全体の意味が分からないのである」

「集中するということは、今ここで、全身で、現在を生き抜くことである」


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