人物情報
1857年~1913年
スイスのジュネーブに生まれる。
言語学者で、言語学の流れを大きく変えたため、近代言語学の父と呼ばれている。
人間を規制する構造を発見し、構造主義(レヴィ=ストロースなど)に大きな影響を与えた。
- 構造主義:自由な意志によって思考・行動していると思っている人間が、実は一定の枠組み(構造)に規制されていると主張する立場。
基本知識
共時態の研究
- 通時態:過去から現在にかけて言語がどのような変化をたどってきたのか。
- 共時態:歴史を考慮しないその時点での言語のルール。
これまでの言語学は通時態を重視していた。しかし、過去を知らなくてもみんな言語を使うことができるので、言語を理解するのに歴史は必要ない。
よって、言語学は共時態を研究すべきである。
ラングの研究
- ラング:ある言語の文法や規則の体系。
- パロール:個々の発話行為。言語の具体的な使い方のこと。
ランガージュ(言語の全体像)はラングとパロールを組み合わせたものであるが、言語学の研究の対象はラングである。
言語の恣意性
言語には音(シニフィアン)と意味(シニフィエ)という2つの側面を持つが、この両者の結びつきには、何の必然性はない。たまたま音と意味が結びついただけである。
※これまでの言語学は、ものの名前が最初から決められているという考え方であったが、ソシュールはそれを否定した。
認識の転回
言語が集まって世界を構成しているのではなく、全体という構造が先にあって、その中で対立や差異が発生することでそれぞれの言語が生まれている。
名言
「個々の存在に意味は存在しない。それらは隣との対立関係によってはじめて成り立つ」
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