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マックス・ヴェーバーの人物情報・基本知識・名言

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人物情報

1864年~1920年

プロイセン王国エアフルトに生まれる。

主著

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』:カルヴァン派の禁欲的職業倫理は利潤の追求や富の蓄積を肯定し、資本主義経済の精神的支柱になったと指摘した。

基本知識

近代化の本質

ヴェーバーは近代化の本質は合理化にあると考えた。そして、合理化は西洋でのみ真に徹底して進捗していると考えた。

ただ西洋においてのみ合理的な方法(近代官僚制、議会、憲法、国家など)が生まれ、ただ西洋においてのみ科学という営みが生まれた。

支配の三類型

支配が可能であるためには、自発的に服従する人々がいなくてはならない。その際、正統性の信念が必要である。

支配には3つの類型がある。

  1. 伝統的支配:支配者の家系などによる支配。
  2. カリスマ的支配:超人的な能力、資質による支配。
  3. 合法的支配:正しい手続きにより決められた法による支配。

合理的な支配(効率よく多くの人を支配するようなシステム)には、命令の恣意性のなさと、予期可能性が必要である。

どのような命令が来るかある程度予測がつくと、支配する側も手続きがラクになり、再現可能性が高まり、被支配者は服従動機が高まる。反逆者も減る。

官僚制(ビューロクラシー)の分析

官僚制の組織は、ピラミッド型である。つまり、地位の高い者ほど数が少なく、地位の低い者ほど数が多い。

職務は専門化され、指揮命令系統は上意下達であり、文書によって情報伝達され、規則にのっとって職務遂行される。さらに、公私は明確に分離される。

官僚制の弊害として、事なかれ主義、主体性喪失などを挙げることができる。

現代社会の形式合理主義、つまり、技術的にミスなく職務遂行しようという理論により、多くの社会集団での官僚制化が進行した。

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

カルヴァン派の影響が強い国(オランダ、イギリス、アメリカなど)では、合理主義によって近代資本主義が発達した。一方で、カトリックの影響が強く実践的合理性の顕著な国(イタリア、スペインなど)やドイツなどでは資本主義の発展が遅れた。

予定説は、個々人のとてつもない内面的孤独の感情を与えた。人間の側から神に力を及ぼして恩恵を引き出そうとするあらゆる行為を無効化した。幻想をもたず悲観的な色合いを帯びた個人主義の考え方を強めた。

  • 予定説:神は全能であるため、神に救われる人はあらかじめ決められているという考え。選ばれなかった人には、秘蹟、聖礼典、告解、懺悔もすべて無力である。

自分が神に選ばれているか気になる。そこで、選ばれているとの自己確信を得るため、絶え間ない職業労働をする。

また、合理的な労働を行うために、合理的な禁欲を行う。日常的に厳格で規律ある生活態度が導かれる。

労働を神の摂理と解釈することにより、合理的精神、禁欲的態度への動機付けがなされ、資本主義の精神の基盤が出来上がった。

鉄の檻

合理化とは、物事を予測可能で操作可能なものにすることである。すべての事柄は原則的に予測可能かつ操作可能であるならば、物事をコントロールする知が開発されれば、再利用のためにその知は保存される。

自分の外に知の殻のようなものが出来上がっていく。これを「鉄の檻」と呼ぶ。

「鉄の檻」を作ろうと欲したのは、合理的な精神を持った人間自身である。しかし、いつしか内発的に思考していた状態から、この鉄の檻に頼り切るようになる。

努めて合理的であろうと振る舞う職業人たちの行為は、やがて殻の強制力に強いられる形となり、主と奴が反転し、その意味さえ見失われていく。

このように殻にこもり、凝り固まった状態を「機械的化石化」と呼んだ。

名言

「そうしようと思えばどんなことでも知ることができること、したがって、そこに何か神秘的で予測しえない力が働いているのではなく、すべての事柄は原則的に予測可能かつ操作可能であること、これらのことを信じているというのが、主知化し合理化しているということの意味である」

「精神なき専門人、心情なき享楽人、この無なるものが、人間性のかつて到達したことのない段階にまですでに登りつめた、と自惚れる」


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