人物情報
1872年~1970年
イギリスのモンマスシャー州に生まれる。
1950年ノーベル文学賞を受賞する。
ウィトゲンシュタインの才能を見出した。
精力的に反戦活動にも参加し、1955年『ラッセル=アインシュタイン宣言』を発表した。
- 『ラッセル=アインシュタイン宣言』:友人のアインシュタインと共同で核廃絶を主張。「私たちは、人間として、人間に向かって訴える。あなた方の人間性を心に深く刻み、それ以外のことは忘れよ、と」
主著
『幸福論』:戦争や貧困など特殊な場合を除いて、「人間の生は本質的に幸福なものである」と主張した。
基礎知識
自我の牢獄
戦争や貧困など特殊な場合を除いて、人間の生は本質的に幸福なものであるが、自我の牢獄に囚われているから、そう感じない。
- 自我の牢獄:自我への没頭。自分自身に過度にとらわれてしまっている状態。『自分はこうあるべきだ』という思い込み。
自分の理想像を過度に追い求めることによって、現実とのギャップに苦しむ。あるがままの自分を認められなくなり、自分で認められない部分を他者に埋めてもらおうとする。
他者に認めてもらいたい、崇めてほしいという欲望を抱くが、他者の評価は自分でコントロールできないから悩み、不幸な気分になる。
ペシミスト(悲観論者)の声に惑わされてはいけない。
ペシミスト(悲観論者)は「私たちの人生は根本的に不幸だ」と主張し、ときにはそれを誇る。
そして、自分と同じ場所に引き込むために、必死で勧誘してくる。
周りが不幸に引き込むサイクルからの脱却をすべきである。
社会への参加
自分(主観)の世界ではなく、外(客観)の世界へ出ることで、幸福をつかみ取る。
あるがままの自分で生きることを決意し、「人生は本質的に幸福である」ことを理解した上で、社会に参加していくことが重要である。
自分が幸せと思っているだけでなく、社会の中でも実際に幸せな状態でいることが必要だ。
自分の幸せのために社会を変革して、他者の幸せも実現する。
自身を空間的、時間的な世界の一員(宇宙の市民)だと認識すれば、全生命に対する仲間意識を得ることができるだけでなく、時間を超えて将来の生命に対しても愛を注ぐことができるようになる。
名言
「人間の生は本質的に幸福なものである」
「私たちは、人間として、人間に向かって訴える。あなた方の人間性を心に深く刻み、それ以外のことは忘れよ、と」(『ラッセル=アインシュタイン宣言』)
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