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ジル・ドゥルーズの人物情報・基本知識・名言

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人物情報

1925年~1995年

フランスのパリに生まれる。

数学の微分概念を哲学に転用した。微分概念を用いて様々な哲学者の思想を解釈した。

また、文学の研究にも熱心であり、文学を題材にした本も多数出版されている。

フェリックス・ガダリ(1930~1992年、フランスの哲学者)と「ドゥルーズ&ガダリ」というユニットを組み共同でいくつかの書籍を出版した。

パラノとスキゾという概念は1980年代に日本に輸入され、1984年の新語・流行語大賞の銅賞を受賞した(社会情勢にマッチ、スキゾ的な生き方へのあこがれが強かった)。

主著

『差異と反復』:この世界は差異が反復されている世界であると主張した。

『アンチ・オイディプス』:ガタリとの共著。精神分析と資本主義を批判した。

基本知識

差異と反復

差異は同一性の対義語である。

これまでの哲学は、同一性がまずあり、この同一性と別の同一性を比べて差異が生まれるという世界観だった。

しかし、ドゥルーズは、差異がまずあって、同一性が二次的に生まれると考えた。

自己同一性を感じるのは、自分の中にある過去の様々な差異を抜き取った結果である。つまり、私たちは差異を抜き取った同一性の世界を生きている。

私たちは同一性の世界を生きているように見えるが、知覚を研ぎ澄ませば、差異がただ反復しているだけの世界であると気が付くことができる。

したがって、世界には本来、明確な秩序など存在せず、バラバラの状態が続いており、人間が無理やり体系化しているだけである。

※微分的に考えると、dxやdy(差異)は無限小で、これらの正体を突き止めることはできない。しかし、dy/dx(差異の反復)は具体的な値を示す。このように、この世界は差異(dx)でできているが、その差異は他の差異との反復(dy/dx)によってしか考えることができない。

スキゾフレニア

人間は本来的に欲望の産物であり、欲望の赴くままに生きたいという欲求を持っている。

しかし、飛び回りたい欲望を社会や家庭が抑圧することによって、自分はこういう人間だという型(アイデンティティ)に押し込められている。アイデンティティが形作られると、その型通りに生きようという力が働き、他人の評価を気にしたり、社会に縛られたりしながら生きることになる(このことをパラノイア(偏執症)という)。

好き勝手欲望のままに生きる存在をスキゾフレニア(分裂症)という。スキゾフレニアは、他人の価値観もこだわりなく受け入れることができる。このような生き方こそ、人間が目指すべきものである。

ノマド

ノマド(遊牧民)はスキゾ的生き方の理想型である。定住する場所を持たず、常に移動しながら人生を過ごす。

定住地を持つということは、その場所に知財をため込むことになる。増えれば増えるほど、その場から身動きが取れなくなる。そして、パラノイア的な生き方に自分自身を縛ることになる。

ノマドは定住地を持たないために、あらゆる場所で偏見なく、その場所の価値観を受け入れられる。


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